「夜勤がきつい」「このまま同じ働き方を続けられるだろうか」。看護師の資格を持ちながら、そう考えている方は少なくありません。
その選択肢のひとつに、医療美容の分野へ移るという道があります。なかでもアートメイクは、看護師の免許がそのまま条件になる分野のひとつです(訪問看護や治験、産業看護など、資格が活きる道はほかにもあります)。
ただし、調べ始めると分かりにくい点がいくつもあります。この記事では、看護師の方が確かめるべきことを、順番に整理します。金額や条件は変わりますので、最後は必ずご自身で確認してください。
先に結論:確かめる順番は、この5つです
- そもそも自分は受けられるのか(免許の要件)
- 働きながら学べるのか(通学かオンラインか)
- 練習台(モニター)は誰が用意するのか ← 案内だけでは気づきにくい所です
- 卒業したあと、どこで働くのか
- 支払い方法と、総額
順に見ていきます。
そもそもアートメイクとは何か
皮膚のごく浅い層に色素を入れて、眉やまぶたの際、唇などに色をつける施術です。洗っても落ちませんが、入れ墨(タトゥー)とは入れる深さが違い、数年かけて少しずつ薄くなっていきます。
需要が生まれる場面は、たとえばこういうものです。
- 毎朝の眉を描く時間をなくしたい
- 汗や水で落ちるのを気にしたくない
- 治療の影響で眉やまつげが薄くなった方が、日常を取り戻したい
- 加齢で眉が薄くなってきた
3つめのように、美容だけでなく、医療に近い場面もあります。看護師の方が持っている「人の体に触れる仕事の作法」が、そのまま効いてくる分野です。
なぜ看護師の免許が必要なのか
針を使って皮膚に色素を入れる行為は、身体を傷つける行為にあたります。出血や感染の可能性があり、痛みの管理も必要です。だから日本では医療行為として扱われ、医師・看護師の免許を持つ人だけが行えます。
この線引きを知らずに「資格なしで開業できる」と案内しているところがあれば、そこは避けてください。受ける側にとっても、施術する側にとっても危険です。
看護師の方にとっては、この制限がそのまま参入の壁になります。免許を持たない人は、そもそも入ってこられません。
1. まず「自分は受けられるのか」を確かめる
前の章のとおり、施術できるのは医師または看護師の免許を持つ人だけです。新しく国家資格を取り直す必要はありません。いまお持ちの免許が、そのまま条件を満たします。
スクールを選ぶときは、案内に「受講できるのは誰か」が明記されているかを見てください。ここを曖昧にしている、あるいは免許が不要と読める書き方をしている所があれば、その時点で慎重になったほうがいいと考えます。
准看護師の方など、ご自身の免許で受けられるかがはっきりしない場合は、申し込む前に直接聞いてください。ここが合っていないと、あとの検討がすべて無駄になります。
2. 働きながら学べるか|通学とオンライン
現職を続けながら学ぶなら、ここが現実的な分かれ目になります。
- 通学:講師から直接見てもらえる。ただし通える範囲に教室が必要
- オンライン:住んでいる場所を選ばない。夜勤明けや育休中でも進めやすい
確かめておきたいのは、「オンラインでも実技をどう見てもらえるのか」です。座学だけオンラインで、実技は結局通わなければならない場合もあります。動画を提出して添削してもらえるのか、質問できる機会が定期的にあるのか。そこまで聞いてから決めてください。
3. 練習台(モニター)は誰が用意するのか
ここは、案内を読んだだけでは気づきにくい所です。
アートメイクは実技です。上達するには、実際に施術させてもらう相手が要ります。このモニター(モデル)を、受講生自身が探すという形をとっているスクールがあります。
身近な方に頼めるなら問題ありませんが、頼める相手がいない場合、「技術は習ったが、練習する相手がいない」という状態になりかねません。
申し込む前に、必ずこの2つを聞いてください。
- モニターは自分で探すのか、紹介してもらえるのか
- 自分で探す場合、探し方を教えてもらえるのか
「SNSでの探し方を教えます」といった支援があるかどうかで、進み方がまったく変わります。
いきなり人に施術するわけではありません
ここは補足しておきます。スクールによっては、座学とモニター施術のあいだに「人工皮膚を使った練習期間」が置かれています。紙の上で覚えて、すぐ人に、という進み方ではありません。
ですので「未経験でいきなり人に針を入れるのか」という不安は、段階が用意されているかを聞けば解消します。逆に、その段階が無いところは避けたほうがいいと考えます。
あわせて、課題の提出と添削が何回あるかも聞いておくと、練習量の見当がつきます。
「何か月で終わりますか」は、はっきり答えが出ないことがあります
卒業までの期間は、コースの内容と、本人の進み方で変わります。人工皮膚での練習にどれだけかかるか、モニターがいつ見つかるかで前後するためです。
ですので「必ず3か月で卒業」と言い切れる性質のものではありません。聞くとすれば、「最短と、平均でどのくらいか」と、「期間が延びたとき、追加の費用はかかるか」です。後者を聞いておかないと、延びたぶんだけ払うことになりかねません。
4. 卒業したあと、どこで働くのか
技術を身につけても、施術できる場所がなければ収入になりません。アートメイクは医療行為ですから、原則としてクリニックで行うことになります。
確かめるのは次の3点です。
- 提携しているクリニックを紹介してもらえるのか
- 紹介がない場合、自分でクリニックを開拓する支援はあるのか
- 卒業後も相談できる窓口が残るのか(技術の相談・症例の相談)
「卒業して終わり」なのか、「その後も続く」のか。ここは金額以上に効いてきます。
案内のなかには、卒業後のサポートとして提携クリニックの紹介、講師への相談窓口、集客や税金の相談まで挙げているところもあります。手厚いのは良いことですが、「必ず働ける」という表現を見たら、そこは一度立ち止まってください。
聞くべきなのは、次の3つです。
- 紹介されるのはどういう形か(雇用か、業務委託か)
- 自分の住んでいる地域に、実際に提携先があるか
- 紹介を受けるための条件はあるか(卒業試験、症例数など)
「全国対応」と書いてあっても、通える距離に無ければ意味がありません。地名を挙げて聞いてください。
5. 支払い方法と、総額で見る
受講料は、一括だけでなく分割やローンに対応している場合があります。ただし、分割の回数が増えれば、支払う総額は増えます。
月々の負担額だけで判断せず、最後に合計いくら払うのかを必ず出してもらってください。あわせて、次の費用が別途かかるかも確認します。
- 教材費・道具代(針・色素など、消耗品は続けて必要になります)
- モニター施術にかかる材料費
- 卒業後の資格や登録にかかる費用
副業として始める場合に、先に見ておくこと
現職を続けながら副業として、と考える方も多い分野です。その場合、スクールを選ぶ前に確かめるべきことが1つあります。
いま勤めている職場が、副業を認めているかどうかです。
就業規則で副業が禁止されている場合、技術を身につけても使えません。特に公立の病院や大きな法人では制限があることがあります。まず就業規則を確認してください。申し込む前にできて、しかも費用がかからない確認です。
収入の話は、慎重に見てください
この分野の案内では、「副業で月◯万円」という数字を見かけます。実際にそうなっている方もいるようですが、その数字がそのまま自分に当てはまるとは限りません。
収入は、次の3つでほぼ決まります。
- 施術できる場所があるか(クリニックに所属できるか)
- 月に何件できるか(本業のシフトの空きしだいです)
- 1件あたりの取り分がいくらか(クリニックとの取り決めによります)
とくに3つめは、施術料がそのまま自分の収入になるわけではありません。取り分の割合を、必ず数字で確認してください。ここを聞かずに始めると、想定と実際が大きくずれます。
逆に言えば、この3つを先に確かめておけば、自分の場合いくらになりそうかを、案内の数字ではなく自分の条件で計算できます。
「やめておいたほうがいい」場合もあります
正直に書きます。次に当てはまる場合は、いま急いで始めないほうがいいと考えます。
- 職場が副業を認めていないのに、確認していない
- 練習台になってくれる人の当てがなく、探し方の支援もないスクールを選ぼうとしている
- 受講料を長期のローンで払う予定だが、卒業後に働ける場所の見込みがない
- 体力的に限界が来ていて、いますぐ夜勤を減らしたい(学ぶ時間もまた負担になります)
とくに最後の項目は大事です。いま疲れきっている状態で新しい学習を足すと、両方が中途半端になります。先に勤務を調整してから、というのも十分に現実的な順番です。
相談だけしてみる、という進め方
ここまで読んで「自分の場合はどうなるのか」が残った方も多いと思います。勤務の形も、住んでいる場所も、人によって違うからです。
多くのスクールは無料の相談を受け付けています。その場で決める必要はありません。上の5つを質問して、答えを持ち帰る——この形なら、その場で決めずに比べられます。
相談のときに聞くことを、そのまま書き出しておきます。
- 受講できるのは誰ですか(免許の要件)
- 働きながら学べますか。実技はどう見てもらえますか
- モニターは自分で探しますか。探し方は教えてもらえますか
- 卒業後、施術できる場所は紹介してもらえますか
- 受講料の総額はいくらですか。ほかに必要な費用はありますか
この5つに、はっきり答えてもらえるかどうか。それ自体が、判断の材料になります。
相談してみる
看護師向けにアートメイクを教えているスクールのひとつに、8アートメイクスクールがあります。案内には「医師または看護師免許をお持ちの方のみ対象。日本ではアートメイクは医療行為に該当します」と明記されており、上の1つめの条件ははっきりしています。
銀座への通学と全国オンラインの2つの形があり、無料の相談を受け付けています。相談の場で決める必要はありません。この記事の5つの質問を持っていって、答えを持ち帰ってください。
看護師の新しいキャリアを医療美容で切り拓く【8アートメイクスクール】![]()
※ 受講条件・費用・コースの内容は変わることがあります。最新の内容は公式ページでご確認ください。
ほかの選択肢も見てから決める
「働き方を変えたい」が出発点なら、医療美容だけが答えではありません。転職や派遣で勤務の形を変える道もあります。両方を見比べてから決めるほうが、納得しやすいと思います。
まとめ
- アートメイクは医療行為。医師または看護師の免許を持つ人だけが施術できます
- だからこそ、看護師の資格がそのまま活きる分野です
- 見落としやすいのはモニター(練習台)を誰が用意するか
- 技術より、卒業後に施術できる場所があるかのほうが収入を左右します
- 副業で考えるなら、先に職場の就業規則を確認してください(無料でできます)
夜勤を減らしたい、日中の働き方に変えたい。その理由は人それぞれです。ただ、急いで決める必要はありません。上の5つを確かめてから決めても、選択肢は逃げません。
※ 本記事は公開されている情報をもとにまとめたものです。筆者が実際に受講したものではありません。条件・費用は変わることがありますので、最新の内容は各スクールにご確認ください。
✍️ この記事を書いた人
チケットナビ編集部
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