AIフルスタック構成を無料で作るという発想
AIエージェント開発に興味はあるけれど、有料サービスの月額費用が気になる。そんな人に向けて、無料枠・OSSだけでAIエージェントのフルスタック構成を組む方法を整理します。
ここで使うのは以下の4つのツール・フレームワークです。
- MCP(Model Context Protocol):AIと外部ツールの接続規格
- LangGraph:AIエージェントのワークフローをグラフ構造で定義するフレームワーク
- CrewAI:複数のAIエージェントにそれぞれ役割を持たせて協調動作させるフレームワーク
- Claude Code CLI:ターミナルで動くAIコーディングエージェント
それぞれ無料で使える範囲があり、組み合わせることで本格的なAIエージェントシステムの構築を体験できます。
MCP(Model Context Protocol)の役割
MCPは、Anthropicが開発したAIモデルと外部ツールを接続する標準プロトコルです。オープンソースとして公開されており、誰でも無料で利用できます。
MCPの役割は「AIが外の世界とやり取りするための窓口」です。
- ファイルシステムの読み書き
- GitHub・Slack・Notionなどの外部サービスとの連携
- データベースへの問い合わせ
- Web検索やAPI呼び出し
MCPサーバーは自分のマシンで動かすため、サーバー利用料は発生しません。公開されているMCPサーバーの実装も多く、GitHubで探してすぐに使い始められます。
LangGraph の役割
LangGraphは、LangChainチームが開発したAIエージェントのワークフローを有向グラフ(DAG)で定義するPythonフレームワークです。MITライセンスのOSSとして無料で利用できます。
LangGraphが解決する課題は「AIエージェントの処理フローを見える形で管理する」ことです。
- ノードとエッジでワークフローを定義:各ステップが何をして、次にどこへ進むかが明確
- 条件分岐:AIの判断結果に応じて処理を切り替え
- ステート管理:処理の途中経過を保持し、長い対話でも文脈を失わない
- 人間介入ポイント:重要な判断をAI任せにせず人が確認するステップを挟める
CrewAI の役割
CrewAIは、複数のAIエージェントにそれぞれ役割(Role)と目標(Goal)を設定し、チームとして協調動作させるフレームワークです。こちらもOSSとして無料で利用可能です。
CrewAIの特徴は「AIを1人で使うのではなく、チーム編成する」という考え方です。
- Agent定義:「リサーチャー」「ライター」「レビュアー」などの役割を設定
- Task定義:各エージェントが達成すべきタスクを明示
- Process設定:順番に処理する(Sequential)か、並列で進める(Parallel)かを選択
- ツール連携:各エージェントが使えるツール(Web検索、ファイル操作など)を個別に割り当て
Claude Code CLI の役割
Claude CodeはAnthropicのターミナル型AIエージェントです。ファイルの読み書き・コマンド実行・Git操作を自然言語の指示だけで行えます。
フルスタック構成における役割は主に2つです。
- 開発そのものの加速:LangGraphやCrewAIのコードを書く作業自体をClaude Codeに任せる
- MCP経由の外部ツール操作:Claude CodeにMCPサーバーを接続し、GitHub操作やDB問い合わせを自然言語で実行
Claude Codeには無料枠の制限があるため、開発フェーズに集中して使うのが効率的です。
組み合わせパターン
4つのツールをどう組み合わせるか、代表的なパターンを紹介します。
パターン1:調査→執筆→校正パイプライン
- CrewAIで「リサーチャー」「ライター」「エディター」の3エージェントを定義
- LangGraphでリサーチ→執筆→校正の処理フローをグラフ化
- 各エージェントがMCP経由でWeb検索やファイル保存を実行
- Claude Codeでこの仕組み全体のコードを書く
パターン2:コードレビュー自動化
- Claude CodeにGitHub MCPサーバーを接続
- PRの差分を自動取得し、LangGraphで「セキュリティチェック→パフォーマンスチェック→スタイルチェック」のフローを実行
- 各チェックをCrewAIの専門エージェントが担当
パターン3:データ収集→分析→レポート
- MCP経由でデータソース(API・スクレイピング結果・DB)からデータを取得
- LangGraphで分析フローを定義(前処理→分析→可視化→レポート作成)
- CrewAIで分析担当とレポート執筆担当を分離
注意点 ― 無料枠の制限とセルフホスティング要件
「無料で構築できる」といっても、以下の制限は理解しておく必要があります。
- LLM APIの無料枠:Claude Code・Gemini・GPTなどのAPI呼び出しには無料枠の上限がある。大量の処理を回すとすぐに上限に達する可能性がある
- セルフホスティング前提:MCP・LangGraph・CrewAIはすべて自分の環境で動かす。ローカルPC、VPS、クラウドの無料枠などの計算リソースが必要
- セットアップの手間:4つのツールをそれぞれインストール・設定するため、Python環境やDocker、Git、Node.jsの基本知識が前提になる
- OSSの更新速度:各ツールは活発に開発されており、バージョンアップでAPIが変わることがある。公式ドキュメントの確認が重要
まとめ
- MCP・LangGraph・CrewAI・Claude Code CLIを組み合わせれば、無料枠の範囲でAIエージェントのフルスタック構成を体験できる
- MCPが外部接続、LangGraphがフロー管理、CrewAIがチーム編成、Claude Codeが開発加速を担う
- 調査→執筆→校正、コードレビュー自動化、データ収集→分析→レポートなど多様なパターンに応用可能
- 無料枠にはLLM API上限・セルフホスティング要件・セットアップ工数などの制限がある
- まずは1つのパターンを小さく試し、動作を確認してから拡張するのが現実的なアプローチ
✍️ この記事を書いた人
チケットナビ編集部
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